英語で何とかなるという驕り
40歳を挟んで6か月ほどニュージーランドのヴィクトリア大学英語予備校で学んだ。だから旅の英会話ぐらい何とかなる、と高を括っていた。
ある日、街中でトイレに行きたくなったので、お店に飛び込んで「トイレを貸してください」と英語で訊いたが訝しげにこちらを見ていて返事がない。発音が悪いのかと思い言い直した。反応なし。トイレが駄目ならトワレット、パウダールーム、レストルーム、思いつくあらゆるトイレの英単語を並べたが通じない。もう限界かも!と思ったその時、私の緊迫した姿を見て店員さんが察したのか、店の奥を指さし、危機一髪で間に合った。
キューバではホテル以外で英語がほとんど通じない。私の発音や言い回しが悪いのではない。普通の人は英語を全く知らないのだ。日本でなら子どもからお年寄りまで、トイレやビール、コップ、スプーン、フォーク、テーブル等々、発音はともかくも知ってはいる。実は日本には英語が溢れているのだ。
世界ではスペイン語を話す国が一番多い?!
キューバはスペインの植民地だったのでスペイン語が国語だ。学校での外国語も英語を選択する生徒は少ない。その上キューバ危機以来、米国とは冷戦状態だから英語は敵国語である。英語を話す事が出来れば世界中どこへ行っても大丈夫という私の考えは見事に粉砕された。世界は広いのだ!
調べてみると、一番多くの人が国語として話しているのは中国語、一番多くの国の国語となっているのはスペイン語だそうだ。考えてみれば中南米のほとんどの国はスペイン語が国語である。これから中南米を南下するなら多少のスペイン語が話せなければまずいとツレがスペイン語を習うことにした。皆様にもキューバなど中南米に行かれるときには、トイレ(バーニャ)やビール(セルベッサ)など、必要最低限のスペイン語を知っておくことをお薦めしたい。