チョコレートはマヤ文明が発祥地

フリーダ・カーロの生家の前でチョコレート好きが高じて「チョコレート語辞典」という本まで出したイラストレーターの香川理馨子さんという方に遭った。その方に「チョコレートはマヤ文明が発祥で初めは薬として使われていた。」と教えてもらった。浅知恵でチョコレートといえばベルギーかと思っていたのでびっくり。そういえばレストランでも「チョコラーテ」という日本のココアを濃くしてドロッとさせた飲み物が人気だった。
旅の最後に訪れたマヤ文明の地メリダでは、板チョコをお土産として売り出そうとしていたので買って食べてみた。狙いと思いは認めるが、残念ながら味はベルギー産の板チョコに遠く及ばない。やはり食べ物を美味しくするには、お金と時間をかけた美食の歴史が必要なのだろう。チョコラーテから今のチョコレートへと進化させたヨーロッパの食文化の底力を垣間見たようだった。

「モレソース」はおふくろの味

メキシコ料理はトルティーヤに代表されるトウモロコシ粉料理の他に、チリソースなど「モレ」と呼ばれる様々なソースが特徴だ。チリソースやアボガドソースなどは材料によってバリエーションがあるが、中南米ではどの国でもお馴染みのソース。
しかしメキシコでソースと言えば、なんてったってチョコレート入りの「モレソース」。チョコレート入り?日本人にはピンとこないが、ほんのり甘くちょっぴり渋味のあるソースはメキシコ人の大好物。それぞれの家庭にそれぞれの味付けがあり「メキシコ版おふくろの味」である。蒸した鶏肉にかけるのが一般的だが、豚肉や野菜にかけたりもする。見た目が黒いソースなのでちょっとビビるが、辛みはなくお味はいたってマイルド。チリソースなどと違って日本ではほとんどみかけないので、メキシコに行ったらぜひ食べてみることをお薦めしたい。

「チョコレート語辞典」を書いた香川理馨子さんと一緒にティオティワカン見学に行った時の夕食。左のトルティーヤの皿には黄緑のアボガドソースとチョコレート入りの黒いモレソースが付いてきた。

オアハカでフリーダ・カーロのTシャツを着て食事。手前のボウルは代表的なメキシコ料理のトマト味のスープ。

到着した日にメキシコ・シティのファミリーレストランで食べた鶏のむね肉のモレソースかけ。チキンライスのような炊いた米が付いてきた。

街角の屋台のトルティーヤ屋さん。生地を伸ばして焼いたあと、好みの具とソースを挟んでくれる。1個100円くらいだったような、熱々で美味しかった。

これぞメキシコ料理!手前は2種類のモレソースがかかったトルティーヤオムレツ。奥の皿は鶏肉のトルティーヤ巻き。左奥はどの料理にも必ず付いてくる別添えのトルティーヤ。