タイムズスクエアの移り変わり
今回でニューヨークは3度目、一番初めは1985年32歳の時。当時米国は大不況の真っ只中で町中にホームレスが溢れ、タイムズスクエアはおしっこの臭いがした。次は1990年、ホームレスは減っていたが、日本はバブルの真っ最中で物価は日本と変わらないように感じた。しかし今回は何もかもが日本より3倍は高いので、自分が凄く貧乏になった気持ちがした。タイムズスクエアは世界中の観光客で溢れかえっていたが、コロナ前はもっと沢山来ていたらしい。ニュースで良く見る広告塔は、前は日本企業がほとんどだったが今はたったの一社だけ。この30年間で世界における日本経済と企業の地位が下がったことを目の当りにして愕然とした。
今も悲しみは終わらない
今回は是非ともグランドゼロに行きたかった。地下鉄を降りると光に満ちた吹き抜けの大きな建物に出た。中央に広場のような歩行空間があるショッピングセンターだ。そこを抜けていくとメモリアルモニュメント、もっと進むと犠牲者の名前が一人ひとり刻まれた黒い石が周りを囲む噴水があり、あちらこちらの名前に白いバラの花が添えられていた。
21世紀が始まったばかりのあの時から、世界は益々混とんとしてきたように思う。”テロとの戦い”という美名の下での他国への攻撃と人種差別、そして不寛容。それらの行き付いた先が今回のロシアによるウクライナ侵攻ではないか。第2次世界大戦後の平和と民主主義を求める熱い思いは何処へいってしまったのか。気候変動で地球が危うくなっている今、戦争などしている暇は人類にはない。人間はなんと愚かな生き物なんだろう。