日本食レストラン”宇佐美”

私たちには「3日間滞在すればその国に行ったことにする」という旅のルールがある。テグシガルパに3日間滞在して、外務省から不要不急の渡航は禁止されているホンジュラスに行ったことにすると決めた。着いたその日で1泊。次の日は生憎の雨だったので昼間は休養して夕食は日本食レストラン”宇佐美”へ行った。テグシガルパは危険なので、最初に宇佐美へ行き、情報収集してから動くと決めていたからだ。宇佐美では経営者の木部さんご夫婦に色々お話を聞くことができた。海外青年協力隊で知り合い、結婚してからも南米各地を周っていたが子どもが二人できたので、奥様のウッディさんの故郷テグシガルパに落ち着いた事等々。木部さんにお願いして、翌日の観光ガイドとして、彼の元部下だったアンドレアさんを紹介してもらった。

あとから聞いてびっくり、ひんやり

翌日はアンドレアさんにホテルに迎えに来てもらい市内を観光し、夜はまた宇佐美に行き木部さんご夫婦と夕食を共にした。4日目の朝はアンドレアさんに空港まで送ってもらい、危険なテグシガルパも無事終了と一安心。
空港で日本人を見かけたので話しかけたら、ODAで20年以上中南米の土木工事を監督しているとのこと。ニカラグアからバスを乗り継いでテグシガルパまで来たことを話すと、そんな無茶なことをする日本人に初めて会った、良く無事だったねと言われた。以前彼が社用車で同じ道を通った時には道路脇に死体が転がっていた、仕事に来ないなと思ったら殺されていたなんてことはここでは日常茶飯事だと言うではないか。さすが殺人発生率世界ワースト6位!幸運に感謝、感謝である。

日本食レストラン”宇佐美”の木部ご夫婦。帰国してからNHKの番組「サラメシ」にテグシガルパの日本大使館に昼食のお弁当を納める店として取り上げられていた。画面には空港で会ったODAの方も大使と一緒に写っていた。

町の中心セントラル公園。観光客向けの露店も出ているが外国人はほとんどいない。ましてや東洋人は私たちだけ。

セントラル公園にあるカテドラル。美しい細工が施されている祭壇は、スペイン・コロニアル芸術の傑作とされている。

セントラル公園にあるカテドラルの美しい細工が施された祭壇は、スペイン・コロニアル芸術の傑作と言われている。

市街を一望できるピカッチョの丘のイエス像の下で。この丘もアンドレアさんと一緒だから行けた。日本人だけでは行かない方が良いと言われた。

中心街の歩行者天国。この傍で5人組の若者に「案内しようか?」と声をかけられた。すかさずアンドレアさんがスペイン語で断り、「彼らは怪しい、何か盗ろうとしていた」と言った。

危険と言われているホンジュラスでさえも観光に力を入れようとしているのか、空港の入り口で入国者にウエルカムフラワーを渡していた女性たち。花よりも治安維持が先のような気がする。