天国のような美しい海
パナマシティの北東のカリブ海に位置するサン・ブラス諸島の海は世界で一番美しい海と言われ、350以上の島々には先住民族のクナ族が昔ながらの生活をしている。海に突き出したキャビンに宿泊し、島々を訪れる二泊三日のツアーに申し込んだ。パナマシティから車で2時間、ボートで約1時間でキャビンのある島に着いた。島には8棟のキャビンと食堂、従業員の家しかない。キャビンの下の海はあくまでも穏やかでカリビアンブルーに透き通り、遠くでは手漕ぎの舟でのんびりと網打ち漁をしている。夜になると満天の星、海を見たら一面に何かの生き物がキラキラと輝いている。あぁ~天国だぁ~。翌日はお迎えの舟で海の中の天然プールで泳ぎ、別の島へ。空はすっきりと青く、爽やかな風と真っ白なビーチ、何処へ行っても底まで見える透明で穏やかな海。世界一美しい海というのは本当だった。しかし・・・
天国のような美しい海の地獄のような・・・
ガイドブックに「防虫対策必須」と書いてあったので万全の蚊よけ対策をして行った。しかし虫は蚊ではなく”チートラス”というパナマ近郊のカリブ海に生息するサシチョウバエの一種、卵を持ったメスだけが夜に人の血を吸うらしい。夜明けに無性にふくらはぎが痒くなって目が覚めた。見ると肌が露出している手足にびっしり赤い斑点がある。私はアレルギーがあるのでその斑点が段々ひどくなり、痒くて痒くてたまらない。その痒さはまるで拷問のようだった。せっかくの世界一美しい海だったが1泊で切り上げて、帰国の途についた。お陰でパナマ土産はチートラスの無数の刺し傷になってしまった。