憧れのルート66を通って

私たちはサンアントニオから北上して、ヒューストンを抜け、アマリロへと向かった。アマリロはシカゴからロサンゼルスまでの最初の国道ルート66が通っている町である。60年代の日本では社用車がほとんどで、ボディに「自家用車」と書いてある車は憧れの的だった。そんな時代に二人の若者がスポーツカーでルート66を旅するテレビドラマに私は痺れた。今でもナット・キング・コールが歌ったテーマ曲を懐かしく思い出す。アメリカが一番輝いていた時代だ。あの頃の日本の若者はそんなアメリカに憧れ、いつか自家用車を乗り回したいと夢見ていた。あれから60年、古希になった私たちはアマリロから西に向かうハイウエイを降りて、旧道であるルート66を走ってキャデラックランチに向った。町で買ったスプレーで古希記念にキャデラックと道路に「祝70歳」と書くために。

巨大ステーキに挑戦する人々

アマリロから少し西に向かったところに「ビッグテキサン」という有名なステーキ専門店がある。広い敷地にトラック運転手のための宿泊所や馬用の宿舎などがあり、広いレストランにはゲームセンターとお土産コーナーも併設している。1時間以上も待たされて入ると、2階まで満席で全ての人がステーキにかぶりついている。ここでは牛のあらゆる部位を食べさせるが、名物は約2㎏のステーキに諸々のサイドメニューがついた「75オンスステーキ」だ。70$だが1時間以内に完食したら無料になる。70$はそんなに高くないのでトライする人がけっこういた。ルート66とキャデラック、豪快なステーキ、アマリロはテキサス感満載の町だった。

サンアントニオからアマリロまでの道路からは、石油掘削がたくさん見え、ジェームス・ディーン主演映画ジャイアンツを思い出した。

大きな牛が出迎えてくれるビッグテキサン。アメリカでも有名なステーキレストランだ。

手と比べてみると大きさが良く分る。サイドメニューもたっぷり付いてくる。

72オンス(約2㎏)のステーキに挑戦していた人。カメラを向けるとポーズをとってくれた。

ビッグテキサンの広い店内。鹿やバッファロー、熊などのはく製が所狭しと飾られている。

ビッグテキサンの駐車場にはリムジンのような3列シートの車に牛の角の飾りが付いた車が何台も停まっていた。

ルート66にスプレーで記念のサインを。写真嫌いの友人の夫はカメラ係。

誰が置いていったのか、キャデラックが並んでいるランチ(牧場)。私たちのサインもすぐに上書きされるのだろう。