狼で復活したヨセミテ国立公園へ

友人夫婦と別れて、私たちはロサンゼルスからヨセミテ国立公園へと向かった。ヨセミテは東京都の1.4倍の大きさがあり、悠久の昔に地球のエネルギーによって生み出された大自然は、島国の日本の自然とは比較にならない程の雄大さで圧倒される。
ヨセミテは狼が絶滅し他の動物たちが増え過ぎて樹木が枯れ自然破壊が進んだが、他所から狼を移住させることで捕食・被食関係を復活させることで元の自然に回復させた。自然界における生物多様性がいかに重要かという実証である。かつて北海道にも鹿の天敵として狼がいたが人間によって全て駆除された。その結果、鹿が増え過ぎて樹木が枯れ、農作物の被害も出ている。自然の中には無くなって良い物なんか一つもないのだ。

思い出のサンフランシスコ

旅行最後の地サンフランシスコに着いた。この町は二度目なので定番の観光地はパスして美食に走った。オバマ大統領も来店した四川料理店で麻婆豆腐と酸辣湯を、イタリアンでは今人気の魚介類のトマトスープ「チョッピ―ノ」を、フィッシャーマンズ・ワーフではお決まりのクラムチャウダーを食べ大満足。
小ぎれいな街並みの中に何ヶ所もホームレスのテントが立ち並ぶエリアがある。サンフランシスコにはなぜこんなにホームレスが多いのだろう?聞いてみると、南部の州はホームレスに冷たく支援策がほとんどないが、この州は支援策が充実していて支援ボランティア団体も多いので、南部からシスコを目指して移動してくるらしい。この町のリベラルな雰囲気はホームレスの人たちだけでなく地元の人にも、そして旅人にも心地よい。

ヨセミテバレーから望むヨセミテのシンボル「ハーフドーム」。この向こうに広大な大自然が広がっている。

オバマ大統領が訪れた四川料理店「Szechuan」。沢山の観光客が列を作って待っていた。隣には鄧小平が訪れた広東料理店があった。

あちらこちらにあるホームレスのテント。高速道路のガード下には沢山のテントが並び、村のようになっていた。

フィッシャーマンズワーフの「Pier39」の入り口。ここから海に向かってお土産屋や飲食店など色々なお店が並んでいる。

遠くにハーフドームが見えるヨセミテバレーにて。

フィッシャーマンズワーフから遠くに見えるのは、映画「The Roch」の舞台となったアルカトラズ島。1963年までは島全体が監獄だった。

世界最大の樹木「ジャイアントセコイア」。これは中ぐらいの大きさ。

アメリカ最後の夜はサンフランシスコ交響楽団のコンサートに。指揮者はフィンランドのエサ=ペッカ・サロネン。「禿山の一夜」から始まった演奏会は大盛り上がりだった。

今人気のイタリア料理「チョッピーノ」、昔は漁師の賄い料理だった。魚介類がたっぷり入っていてパンをスープに浸して食べる。二人で食べきれないほどの量だった。