バスターミナルは危険地帯のド真ん中・・・

テグシガルパには明るいうちに着きたい。しかしチョルテカから乗ったバスは、少し進んでは停まり物売りが入って来て商売が終わるまで出発しないことを繰り返す。6時を過ぎ7時を過ぎて真っ暗になってもまだ着かない。バスターミナルは明るい時でさえ現地の人でも行きたがらない危険地帯にある。暗くなって行ったら身ぐるみ剝がされるか殺されるかも。私たちは車掌に拙いスペイン語で「ホテルアンヘルに行きたい。安全にタクシーを拾える所で降ろしてほしい」と頼んだ。その途端、運転手、車掌、前の方の2~3人の乗客が、スペイン語で一斉にわめきだした。どうしたんだろうと聞き耳を立てていると、どうやら何処が一番安全かと議論しているらしい。そしてバスが急に停まりここで降りろと言うではないか。外は真っ暗、ここが何処かもどうやってタクシーを拾っていいかも分からない。すると車掌がタクシーを拾い場所を伝え、値段の交渉もしてくれた。私たちは彼らに大声で「ムーチャス・グラシアス」と何度も礼を言ってタクシーに乗り込んだ。

鉄の柵に囲まれたホテル?!

タクシーでここがホテルだと言われて降りたが、高い鉄の柵に囲まれホテルの入り口は見えない。鉄の扉の前にはショットガンを持った守衛とドアボーイらしき男がいる。裏口に着いたのかと思ったが取り敢えず入れてもらい、なんとか無事にホテルに辿り付いた。次の朝、正面入り口は何処かと聞いてみると昨夜の入り口がそれとのこと。日本大使館がある一番安全な地域の一流ホテル全体が高い鉄の柵で囲まれ、柵の扉の前にはショットガンの守衛。この街の危険度が理解できた。

テグシガルパ行きのバスは日よけのカーテンもあり、クーラーも効いていた。荷物1個に付き別料金を払う。あとは乗っていれば良いと物売りからお菓子を買い、まったりとしていたが・・・。

次の日に車から降りない約束でガイドに連れていってもらったサン・イシドロ市場。ガイドはテグシガルパ在住だが「この市場には絶対に来ない、知り合いも一人もいない」と言っていた。

テグシガルパの地図。川を一本挟んで左側が危険地帯。右側の真ん中にあるモラサン通りの周辺はこの町で一番安全とされている。私たちのホテルは日本大使館の側にあった。

ガイドのアンドレアさんと一緒に。現地で日本食レストラン“宇佐美”を経営している木部さんから紹介してもらい、2日間ガイドをお願いした。

サン・イシドロ市場へと向かう橋。この橋のこちら側と向こう側では世界が違う。向こうでは毎日麻薬がらみの犯罪が起きている。現地の人でさえ昼間でも決して行かない。

リベルター公園の中で開催されている露店市。こちらのマーケットは安全なので、地元在住の外国人も良く行くところ。野菜、果物、肉、日用雑貨、衣料など何でも売っている。食堂もあり、昼食にププサ(マッシュポテトの中に肉や野菜を入れて焼いた軽食)を食べた。