巡礼路・カミノ・デ・サンティアゴ

イベリア半島北西端にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラはエルサレム、ローマに次ぐキリスト教3大聖地のひとつ。この地で聖ヤコブ(サンティアゴ)の墓が発見されて以来、ヨーロッパからピレネー山脈を超えスペイン北部を横断しサンティアゴへ至る巡礼の道、カミノ・デ・サンティアゴ約800キロを、最終地のサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指して、今でも世界中の巡礼者が歩いてやってくる。
カテドラル前の広場では、巡礼を終えた達成感に浸りながら、人々が満足げに疲れた体を横たえていた。私たちはキリスト教徒ではないので、というより歩く気力も体力もないので車でやってきたが、真似して同じように寝転がってみた。

巡礼にハマる日本人シニアたち

キリスト教の巡礼路を歩く日本人なんていないだろうと思っていたら、街の中で突然「日本人ですか?」とシニアの日本人に声をかけられた。ここでお会いするのも何かのご縁ということで夕食を共にすることにした。聞けば巡礼路を歩いて今日ここにたどり着いたばかり、それも今回で3度目とのこと。物好きな人がいるもんだ!と思っていたら、シニアの日本人カップルが通りがかったので話をすると、その方たちも何度目かの巡礼路を歩いてきたと言う。ご夫婦かと思ったら赤の他人で、たまたま同じ行程になったらしい。
彼等が言うには、巡礼路を歩くのはとてもきつくて大変なのだけれど、日本に帰ってしばらくするとまた行きたくなる、一度やったら止められないのだとか。一瞬私たちもやってみようかと心が動いた。しかし、もし巡礼路にハマってしまったら、「死ぬまでに100カ国制覇」は難しくなると思い返して諦めた。
巡礼は諦めたが、体も疲れてきたので巡礼者用のマッサージ「マッサージ・デ・カミノ」をしてもらった。下半身を重点的にじっくりもみほぐすその手は、まさしく神の手のように疲れた体に優しかった。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ手前の「歓喜の丘」。ここで初めて聖ヤコブが眠るカテドラルが見える。

カテドラル前の広場で休む巡礼者たち(カテドラルの上から撮影)

カテドラルの中にある聖ヤコブの像