キューバの民泊・カーサ・パルティクラル

キューバでは、政府が民泊(カーサ・パルティクラル)を推奨している。米国との国交断絶後は海外資本が入らないため、ホテルの建設が進まないことと、国民が外貨を稼げる有効な方法の一つだからである。
パルティクラルは、軒下やドアに付いた、錨に似たマークが目印で、一般家庭の一室を朝食付きで貸すのが基本だ。トイレ・バスが共同かどうか等により、料金は15~20ドル程度。頼めば一人5~20ドルで夕食を出すところが多い。私たちは、到着の夜とバラデロでの2泊とアンコンでの2泊以外は、17泊7カ所のパルティクラルに泊まった。
部屋は宿泊先で実際に見学してから決めたので、綺麗で開放的な所を選べた。屋上テラスでの朝食も、パン、コーヒー、卵、ハム、果物、チーズに羊羹のようなグアバスィーツと、いつも食べきれないほど充実していた。

キューバの多様な家庭事情

7カ所のパルティクラルは、家庭事情がそれぞれに違った。母子家庭が2カ所のほか、父子家庭、夫の連れ子と新しい妻との子ども、妻の連れ子と新しい夫との子ども、夫婦二人などで、子ども全員の両親が同じ家庭は1カ所だけだった。
たまたまそういう家庭ばかりに当たったのかと思い、現地の人に訊いてみると、子ども全員の両親が同じという家庭は少数派らしい。
キューバでは、女性は15歳の誕生日を迎えると大人とみなされ、20歳前後で最初の結婚をして子どもを産むが、半数以上が離婚する。その後再婚しても、前夫や前妻は近くに住み、子どもと行き来するケースが多いそうだ。子どもにも配給(基本的食糧)が付き、教育は制服や文房具付きで無料、医療も無料で、子育てにリスクが少ない。キューバは国としては貧乏だけど、シングルマザーの貧困問題はない!子どもと女性にとって、日本とキューバどちらが幸せだろうか。

民泊の朝食・卵は希望すれば色々に調理してくれる
この日はフレッシュジュースも付いた

1番目の民泊のマリアにプレゼントを
彼女は10代の女の子を育てているシングルマザー

カマグエイの築300年の民泊の家
この階段と柱は300年前と同じとか

キューバには食事が出来る屋上がある家が多い
ここで食べる朝食はバカンス気分満載!

今は市立博物館になっている旧提督邸の広間
贅沢な調度品の数々に当時の様子が伺える