コスタリカは軍隊を捨てた国

成田からヒューストン経由でサン・ホセに着いた。サン・ホセには以前スタディツアーで来たことがある。武装(軍隊)解除、選挙制度、有機農業、刑務所について学んだ。中米の火薬庫と言われるほど紛争が絶えなかった地域で、なぜ武装解除することができたのかたいへん興味深く、憲法9条を有する日本にとっても示唆的だった。また少数意見(投票)の反映を徹底的に保障する選挙制度は、単に多数決で決めるのではなく、それぞれの意見を尊重する真の民主主義を実現するのだという強い意志と決意が感じられた。最も驚いたのは刑務所。囚人の配偶者が訪問した時の家が用意され、二人っきりでプライベートな時間を過ごす事ができるのだ。日本では考えられないほどの人権意識だと思った。

コロナで創業百年の老舗レストランが廃業?!

今回はスタディー無しでのんびりすることにした。コスタリカ人が愛してやまない国立劇場で地元の交響楽団のコンサートを聴いたり、国立博物館やヒスイ博物館を見物し、街なかを散策した。宿は日本で言えば銀座通りに面しているようなホテルを選んだが、料金は米国に比べたら随分と安く日本よりも少し安いように感じた。それでも以前から比べると何もかもが値上がりしていて驚いた。そしてここにもコロナ禍の影響が色濃く出ていた。以前はあった観光客向けの民芸品などを売る市場がなくなり、ホテルの前庭で展開されていた野外レストランも無くなっていた。何より驚いたのは創業百年の老舗レストランが廃業していたことだ。コロナの前と後で世界は変わってしまっていた。持参したコロナ前のガイドブックはほぼ役に立たなかった。

国立博物館は、1949年に軍隊が廃止されるまでは陸軍の総司令部があった要塞。外壁には市街戦の弾痕が生々しく残っている。

国立博物館の中に展示されていた先住民の墓の近くで発見された謎の丸い石。他に先史時代の石器や植民地時代の家具、コーヒー産業の歴史に関する展示があった。

国立博物館から見たサン・ホセの町。人口は旭川とほぼ同じ34万人だが、高い建物はほとんどなく、遠くに小高い山が霞んで見える。

日本の銀座通りに当たるアベニーダ・セントラル。通年歩行者天国になっている。日本のようなブランド店もデパートもなく、日曜日でも人通りはこの程度でのんびりしている。

ヒスイ博物館の中には、ヒスイの外にも先コロンブス期の可愛い土器や石像などが展示されていた。

バスターミナル近くの市場内の簡易食堂エリア。ここから中心部へ帰るために乗ったタクシーで料金をぼらそうになった。やっぱりバスターミナル付近は要注意エリアだ。

コスタリカ人の誇り国立劇場。パリのオペラ座を模倣して建てられた。コスタリカで内戦が起きないのは美しい国立劇場を壊したくないからと言われている。