高度順応のために陸路で行くことに

リマから飛行機でナスカの地上絵を見て戻り、ふたたびリマから飛行機でクスコに行きマチュピチュを見学するというのが通常の観光コースだ。しかし、コロンビア・エクアドルの旅で高度が体に与えるダメージの大きさを経験した私たちは、ペルーでは慎重に高度順応することにした。標高ゼロのリマからいきなり富士山より高い標高3399mのクスコに行くのは危険すぎる。現にツアーでは必ず体調を崩す人が出るらしい。高さによる酸欠状態に体を順応させるには少しずつ高度を上げるしかない。私たちは陸路でイカからナスカを経由し、標高2335mのアレキパまで行き、そこで3泊して体を慣らしてから飛行機でクスコに入ることにした。南北アメリカ大陸をアラスカからアルゼンチンまで縦断するパンアメリカン・ハイウェイをリマから南下し、アレキパまでの順路上にあるイカの近郊ワカチナに最初の宿を取ることにした。

ペルーの隠れ家的観光地

ワカチナは砂漠の中に湧き出た泉が湖となり、1990年代にはサンドバギーなどのアクティビティが人気となり、リゾート地になった。ワカチナとはインカの言葉ケチュア語で「泣く女」を意味し、最愛の人を失った王女の涙が泉になったという伝説がある。ハアハア言いながら砂丘を登って行くと、何台ものバギー車が走り回っていた。夕方になってバギー車の営業が終わると人々は思い思いの場所に陣取り日が沈むのを眺め始めた。私たちも砂の上に座り、オレンジからピンク、薄紫へと暗くなっていく空と、それとは対照的にポツポツと灯っていく湖の周りやイカの町灯を飽きずに見続けていた。

砂丘の上から望むワカチナ。砂漠の真ん中にポツンと現れた湖を囲む人口100人の小さな小さな観光地。

日が沈み切った空には月が出て、星も見えた。砂丘の向こうに見えるのがイカの町、近年はワインの産地として有名だ。手前の灯はワカチナ。

左手に見えるのが人口100人の小さなリゾート地ワカチナ。砂丘でのサンドサーフィンやパラグライディングなどのアクティビティが人気だ。

何台ものバギー車が駆け巡り、傍を通る度に排気ガスの臭いと騒音がした。遠くにはパラグライディングやサンドサーフィンをしている人たちが見える。

イカの大学から来ていた学生たち。「観光客に英語で話しかける」という課題の相手になってくれないかと頼まれ、お手伝いした。

日が沈んだ紫色の空には月が出て、星も見えた。砂丘の向こうに見えるのがイカの町、近年はワインの産地として有名だ。手前の灯はワカチナ。