空港から「一路クエンカへ」のはずが・・・

まだ体調が完璧ではないので、グアヤキルからクエンカまでバスで行くことは諦め、ガラパゴスのホテルでシャトルタクシーを予約することにした。フロントに頼むと「いとこにタクシードライバーがいる」と言うのでお願いした。昼過ぎに空港に着くといとこの友人が待っていた。バスだと4時間、タクシーだと3時間ちょっと、明るい内に着くはずだ。グアヤキルの市街地を抜けアンデスの山岳地帯へと進むにつれて何だか車の様子がおかしい。普通の乗用車はもちろんのこと、トラックにも抜かれ路線バスにも抜かれ、時速20キロ前後で走行している。初めは安全運転の良い運転手さんと思っていたが違う。車が故障しているらしく明らかに馬力が足りないのだ。そこでこれは正規のタクシーかと聞くと答えず、この車でクエンカまで行ったことはあると言うだけ。やはり白タクだったかと悔やんだが今更遅い、後の祭りである。

「見よ、あれがクエンカの灯」という所で

4時過ぎには着くはずが7時を過ぎて真っ暗になってもまだ着かない。ここはアンデス山脈の中、ホテルも何もないのでとにかく行くしかない。山岳地帯を過ぎ小高い丘からやっと眼下にクエンカの街の灯が見えてきたところで「プスン、プスン」という音がしてエンジンが止まった。何度も再起動しようとしたがかからない。「もう駄目だから降りてくれ」という運転手を励まし、これがラストと思った時にかかった。峠まで行けば後は下り、何とかホテルまで惰性で行けることを願いながら、時速10キロの車は8時過ぎにやっとホテルにたどり着いた。3時間のところが7時間もかかり、ヘトヘトに疲れ果てた。

ホテルにたどり着いた時には、怒りも忘れて同志のように感じたドライバーとボロ車。半額料金でも良かったが全額払ってあげたのでドライバーはとても感謝していた。

コロニアルな息づかいが残る町の中心部には今も16世紀の石畳が至る所にあり、スペイン様式のバルコニー付きの建物もたくさん残っている。

クエンカはグアヤキル、キトに次ぐエクアドル第3の都市だが、インカの名残りか他の町より民族衣装を着ている先住民族系の女性が多い。

クエンカは16世紀の街並みをそのまま残していて、1999年に世界遺産に登録されている。通年で気候が良く物価も安いことから、近年は北アメリカからの高齢移住者が増えている。